ソフトバンクのブロックチェーン関連の取り組みについて整理する。

ソフトバンクのブロックチェーンに関する取り組み

ソフトバンクのブロックチェーンに関する取り組みを整理します。

ブロックチェーンコンソーシアム「CBSG」の立ち上げ(2018年3月)

2018年3月、ソフトバンクはブロックチェーンコンソーシアム「CBSG」を立ち上げました。参画する企業については、以下の通り。

  • LGユープラス
  • エティサラット
  • KT
  • テレフォニカ、
  • PLDT

詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。

通信事業者のグローバル・ブロックチェーン・コンソーシアムであるCarrier Blockchain Study Group(キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ、以下「CBSG」)は、韓国のLG Uplus Corp.(以下「LGユープラス」)、アラブ首長国連邦のEtisalat Group(以下「エティサラット」)、韓国のKT Corporation(以下「KT」)、スペインのTelefónica, S.A.(以下「テレフォニカ」)、フィリピンのPLDT Inc.(以下「PLDT」)と、次世代のキャリア間グローバル・ブロックチェーン・プラットフォームおよびエコシステムの構築に向けて、連携していくことに合意※1しましたので、お知らせします。CBSGは、通信事業者に特化した革新的なブロックチェーン・プラットフォームを共同開発することを目的に、2017年9月、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)、米国のブロックチェーン技術開発企業であるTBCASoft, Inc.(以下「TBCASoft」)、米国のSprint Corporation、台湾のFar EasTone Telecommunications Co., Ltd.(以下「ファーイーストン」)によって設立されました。CBSGは、参加企業がそのユーザー向けに、ブロックチェーンを活用した安全な清算や決済、個人認証、IoT端末向けアプリケーションなど、さまざまなサービスを将来提供することを目指しています。CBSGはブロックチェーン・プラットフォームの研究開発を進めており、すでに、キャリア間ブロックチェーン決済プラットフォーム上で、トップアップ※2やウォレットローミング※3、国際送金、IoT決済、ローミング・チャージ決済のデモに成功しています。またCBSGは、技術やビジネス、各国の所轄官庁の法令や規制に関する課題を解決するためのワーキング・グループとしての役割も果たしています。活動の一つとして、ソフトバンクとファーイーストンは、2018年度中に、日本および台湾の旅行者向けの、ウォレットローミングの実証実験を計画しています。また、今回新たに加わったLGユープラス、エティサラット、KTも、CBSGにおける初期のユースケース評価を、TBCASoftの技術を活用した相互接続環境で行うことに合意しました。全参加企業が連携することで、CBSGは通信業界のブロックチェーンの取り組みをリードする立場になります。新しい参加企業と共に、通信業界におけるブロックチェーンの実装に向けて加速するとともに、通信事業者のネットワークをグローバル規模で拡大していきます。LGユープラスのヴァイス・プレジデントであるWonseok Choは次のように述べています。「キャリア間のブロックチェーンを構築することで、われわれは、同技術の利点である透明性や安全性、リアルタイムな取引を実現し、差別化したサービスを提供することができます。LGユープラスは、CBSGとの連携を通じて、差別化した顧客価値の提供を追求していきます」エティサラットのグループ・チーフ・コーポレート・ストラテジー&ガバナンス・オフィサーであるKhalifa Al Shamsiは次のように述べています。「ブロックチェーンは、デジタル・プラットフォームを通じて、コンシューマーサービスに大きな影響と利益をもたらす可能性があるとして、業界や団体を超えて最も有望視される技術の一つです。われわれはCBSGと連携し、キャリア間の次世代グローバル・ブロックチェーン・プラットフォームとエコシステムの可能性を追求することを楽しみにしています。この連携は、われわれが現在取り組む『Driving a digital future to empower societies』という、技術で顧客体験を革新する戦略と一致します。また、ブロックチェーンのエコシステム形成に寄与します」KTのコンバージェンス・ビジネス部門シニア・ヴァイス・プレジデントであるLee Mihyangは、次のように述べています。「ブロックチェーンは、急速に変化する市場において、KTが、本格的なデジタルサービス・プロバイダーへと進化し、健全な地位を築く一助となります。われわれは、エネルギー、ヘルスケア、海外ローミング事業の分野において、ブロックチェーン活用の優れた機会があると見ています」

参考:LGユープラス、エティサラット、KT、テレフォニカ、PLDTが、キャリア・ブロックチェーン・スタディー・グループ(CBSG)に参加へ

クラウドマインズとの提携(2018年5月)

2018年5月、ソフトバンクは米クラウドマインズと提携し、ブロックチェーンベースの認証ソリューションを共同開発することを公表しました。

ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮内 謙、以下「ソフトバンク」)と米CloudMinds Technology Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:ビル・ファン、以下「クラウドマインズ」)は、ブロックチェーンをベースとした高セキュリティーな認証ソリューションを共同開発しましたので、お知らせします。このソリューションは、クラウドマインズのブロックチェーンベースの認証ソリューションと、モバイルキャリアの認証プラットフォームを組み合わせたものです。IoTやロボティクス、Fintechなどの領域が急速に発展する中、流通するデバイスが多様化し、サービス認証やネットワーク接続を行う機会が増加するなど、デバイス、ユーザー、サービスを連携して管理することはますます重要になっています。現在、これらを一元的に管理するソリューションはありません。クラウドマインズのデバイス認証と、モバイルキャリアのユーザー認証を統合した本ソリューションは、モバイルデバイスとユーザーを連携させ、サービス利用時の認証を行うことができます。具体的には、モバイルデバイスの識別子(デバイス固有のID)と所有者情報をブロックチェーン上のIDに関連付けます。これにより、モバイルデバイスの所有者を安全に認証することができるため、ユーザーは、ユーザーIDやパスワードを入力することなくウェブサイト上のさまざまなサービスにログインできるようになります。本ソリューションのフレームワークにおいては、強力なDDoS攻撃対策が可能なSDP(software defined perimeter)プロトコル※1を採用しました。この技術により、本ソリューションは高セキュリティーなID管理共通基盤を提供することができます。クラウドマインズは、IoTとロボティクス分野でブロックチェーンを活用した豊富な実績を持ち、ブロックチェーンベースのソリューションを提供するリーディングカンパニーです。今回の共同開発で採用されたクラウドマインズのPermissioned Chain(CMPC)技術は、コンセンサス(合意形成)方式として「Legitimate Proof of Work」(LPOW)を使用しています。これは膨大な計算能力を必要とせずに「51%攻撃※2」を防止するための特別な仕様です。これらのソリューションはエンタープライズ分野、特に「the Identity of Things(IDoT)」の分野に適しています。IDoTは、全てのインテリジェントデバイスに共通のID空間を提供する共通のID管理プラットフォームです。そのため、デバイスは世界中の他のデバイスとの相互認証が可能になります。またCMPCは実社会のニーズに応じた階層的なID管理構造に対応しているため、柔軟で効率的な管理が可能です。ソフトバンク IT統括 ITサービス開発本部 本部長 福泉 武史は、次のように述べています。
「クラウドマインズとの協働により、Fintechサービスなどにおける認証や、IoT機器とサービスの連携管理が大幅に進歩すると確信しています。クラウドマインズの認証ソリューションは、共通のセキュリティーフレームワークに基づいているため、高度なセキュリティーを必要とするさまざまなサービスに利用可能だと考えています」クラウドマインズのCEO ビル・ファンは、次のように述べています。「今回の共同開発はIDoT基盤の実現に繋がる重要なステップです。IDoTは、ブロックチェーンとCMPCの権限管理スキームが非中央集権型であるという性質を踏まえ、多数のステークホルダーが共同で維持管理しています。単独の企業が独占的に利用することはできず、一つの企業が参加することをやめたとしてもプラットフォームは依然維持されます。私たちは、急速に近づいている自律的な世界に向けて、IDoTが不可欠な要素となると考えています」

参考:ソフトバンクとクラウドマインズ、ブロックチェーンベースの認証ソリューションを共同開発

孫会長がブロックチェーンを活用していくことを明言(2018年6月)

2018年6月、定時株主総会にて、孫会長がブロックチェーン技術を積極的に活用していくことを明らかにしました。詳細については、以下の記事をご覧下さい。

ブロックチェーンを使ったさまざまな暗号通貨や情報のやりとりは、重要な基幹技術と認識している。われわれのグループの会社が続々と(サービスを)準備し、開始している。ただ、現在世の中にある暗号通貨は、実体的価値よりも投機的価値が先行しているものが多数ある。それぞれの暗号通貨の善しあしを付けるのは難しいが、技術そのものは始まったばかり。さまざまな形で進展すると思うし、グループの会社で使っていく

参考:ブロックチェーンや暗号通貨「使っていく」 ソフトバンク孫会長が意欲

個人的な見解・考察

個人的な見解・考察は以下の通り。

ブロックチェーン技術の将来性については、口を閉ざしていた孫正義会長ですが、今回の株主総会でブロックチェーン技術を積極的に活用していくことを明言したことは大きなニュースだと感じています。